「あとちょっと…!」の壁、経験ありません?
クライミングしてるときに、「もう少しで届きそう…でも指先が空振り…」ってこと、ありませんか?
あれ、実はただのリーチ不足じゃなくて、**前鋸筋(ぜんきょきん)**がサボってるせいかもしれません。
前鋸筋ってどんな筋肉?
前鋸筋は、わきの下から肩甲骨の内側についてる筋肉で、ボクシングのパンチとかでめっちゃ働くやつ。
この筋肉が元気に働くと、肩甲骨が「ぐいっ」と前に滑って、手が遠くまで伸ばせるんです。
つまり…
- 前鋸筋が頑張ってるとリーチが最大化!
- ホールドにあと数センチ届く!
- 肩に無駄な力を入れなくても伸ばせる!
ってわけです。
実は「コア」ともつながってる
さらにおもしろいのが、前鋸筋は「内腹斜筋」(お腹の横の筋肉)と筋膜でつながってるんですよ。
つまり、腕を伸ばしたときに――
👉 自動的にお腹も安定してくれる!
これめっちゃ重要で、クライマーがリーチするときに体幹がフニャって崩れないのは、この連携のおかげなんです。
「リーチしてるのにコアも効いてる」って、最強じゃないですか?
ルーフ課題では必須の筋肉
ルーフや強傾斜の課題を想像してください。体がぶらーんってなりやすいでしょ?
ここで前鋸筋が働かないと、
- 肩甲骨が後ろに引けちゃって、リーチが短くなる
- 体幹がブレて、腰や足が振られる
- 結果、力みすぎて肩を壊しやすい
逆に前鋸筋が働いてると――
- 肩甲骨を前にすべらせて、最大リーチ
- コアが効いて、体が壁から剥がれにくい
- 省エネで次の動作に移れる
ルーフ課題こそ、前鋸筋の真価が発揮されるシーンなんです。
前鋸筋がサボってるかも?こんなサイン
「自分、前鋸筋効いてるかな?」と思ったらチェック👇
- リーチしたら肩がすくむ
- 手を伸ばすと体が壁から離れる
- 強傾斜になると急に保持力がなくなる
- 登ったあと肩の前とか首ばっか疲れる
これ当てはまる人、前鋸筋ちゃんと使えてない可能性大です。
前鋸筋を呼び起こすトレーニング
難しく考えなくてもOK。
「肩甲骨を肋骨に沿って前にすべらせる」感覚を意識して動くのがポイント。
ピラティスとかでよくやるのは、
- プッシュアップで背中を丸めるように押し出す
- 手を遠くに伸ばすときに、肩甲骨を前に送る意識
- 呼吸に合わせてお腹も一緒に固める
こういう地味な動きをコツコツやると、壁に登ったときに「あれ?リーチが伸びてる!」って体感できます。
まとめ
- 前鋸筋が肩甲骨を前に動かすことでリーチが伸びる
- 内腹斜筋とつながってるから、リーチしても体幹が安定
- ルーフ課題では特に必須!
「あとちょっと届かない…」を解決するのは、指の力じゃなくて前鋸筋かもしれませんよ。
参考文献
- Ludewig PM, Cook TM. Phys Ther. 2000;80(3):276–291.
- Myers TW. Anatomy Trains. 2014.
- Kibler WB, et al. Br J Sports Med. 2013;47(14):877–885.
- Ekstrom RA, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 2003;33(5):247–258.



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