こんにちは!理学療法士14年目+心臓リハビリリテーション指導士+ピラティスインストラクターのKeiです!
ピラティスって美容にいいイメージがありますが…それ以外にもすんばらしい効果が!
はじめに
心臓病は日本人の死因上位にあり、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が背景にあります。
運動不足はこれらのリスクを高める大きな要因です。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が心臓病予防に有効であることは知られていますが、ピラティスも心臓病の予防医療として有効である可能性が、複数の研究論文で示されています。
本記事では理学療法士の視点から、心臓病予防における運動の重要性と、ピラティスの効果を解説します。
心臓病予防に運動が欠かせない理由
日本人の死因と心臓病の関係
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患は、日本人の主要な死因です。
動脈硬化の進行を遅らせるためには、食事・睡眠・ストレス管理に加え、運動が欠かせません。
運動不足がもたらすリスク
運動不足は肥満、血糖値の上昇、血圧の上昇を招き、心臓に負担をかけます。
日常的に体を動かす習慣を持つことが、心臓病予防の第一歩です。
心臓病予防で推奨される運動とは?
有酸素運動の効果
ガイドラインでは、週150分以上の中等度の有酸素運動が推奨されています。
心拍数の安定、血圧や血糖値の改善などが期待できます。
筋力トレーニングの必要性
筋肉量の低下(サルコペニア)は心臓病のリスク因子です。
体幹や下肢を鍛えることで代謝が改善し、血流も向上します。
ピラティスが心臓に与える影響
呼吸で自律神経を整える
ピラティスは「胸式呼吸」を特徴とし、横隔膜や肋骨を大きく動かすことで副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が安定します(Guimarães et al., 2012)。
姿勢改善で胸郭が広がる
猫背や巻き肩は胸郭の動きを制限し、呼吸を浅くします。
ピラティスで姿勢を整えることで胸郭の可動性が広がり、酸素を効率的に取り込めます(Tarnas et al., 2024)。
体幹強化で活動量が増える
体幹が安定すると日常生活での動きがスムーズになり、自然と活動量が増えます。
結果として心臓への負担が軽減されます。
研究で示されるピラティスの効果
- 高血圧改善:12週間のマットピラティスで血圧低下が確認されました(Woramontri et al., 2024)。
- 心不全患者への効果:機能的能力を向上させる補助的治療として有益(Guimarães et al., 2012)。
- 心肺機能改善:VO₂ maxなど心肺機能指標が改善(Fernández-Rodríguez et al., 2019; Tarnas et al., 2024)。
これらの研究は、ピラティスが生活習慣病リスクを減らし、心臓病予防に寄与する可能性を示しています。
ウォーキング+ピラティスで相乗効果
ウォーキングなど有酸素運動と組み合わせることで、
- 姿勢改善 → 歩きやすくなる
- 呼吸が深まる → 有酸素運動効率アップ
- 体幹安定 → 長時間活動が楽になる
まさに心臓にやさしい最強タッグです。
まとめ
心臓病予防には「有酸素運動+筋力トレーニング」が基本ですが、ピラティスを加えることで、
- 呼吸が整う
- 姿勢が改善する
- 活動量が増える
ウォーキングと組み合わせれば、今日からできる安全で効果的な予防医療になります。
研究論文に基づき、自分の体力に合わせて無理なく習慣化することが大切です。
参考文献
- Fernández-Rodríguez R, et al. Pilates Method Improves Cardiorespiratory Fitness. PMC, 2019. リンク
- González-Devesa D, et al. The efficacy of Pilates method in patients with hypertension. Nature Reviews Cardiology, 2024. リンク
- Guimarães GV, et al. Pilates in heart failure patients: a randomized controlled trial. International Journal of Cardiology, 2012. リンク
- Woramontri C, et al. Effect of Mat Pilates Training on Blood Pressure. MDPI, 2024. リンク
- Tarnas M, et al. Effects of Pilates Training on Cardiorespiratory Functions. PMC, 2024. リンク



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