はじめに
「ルーフで足が上がらない」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、この問題、腕力や柔軟性の不足だけが原因ではありません。
前鋸筋と下部体幹の協調が足りていないことが大きな要因です。
今回は、ピラティスの視点からこの問題を解決する方法をご紹介します。

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ルーフで足が上がらない・距離が出ない原因
ルーフでは、上半身がホールドに固定され、足は宙に浮いた状態。
この状態で足を遠くのフットホールドに上げるには、下半身を体幹から引き上げる力が必要です。
ポイントは以下の2つ:
- 下部体幹(腸腰筋・下腹部)
- 脚を持ち上げる力を生む
- 骨盤を安定させる
- 前鋸筋(肩甲骨を外に滑らせる筋肉)
- 肩甲骨を外転させて腕と体幹を分離
- 腕で引きすぎず、リーチ距離を最大化
前鋸筋が働かないと、肩甲骨が固定されて腕で引きすぎるため、体幹がロックされ、足が上がらないという典型的なパターンになります。
ピラティス視点:ロールアップの逆パターン
ピラティスの「ロールアップ」は、下半身固定で上半身を起こす動き。
クライミングのルーフ動作はこれを逆にした形で、上半身固定+下半身を持ち上げる動作です。
- ロールアップ:下半身固定 → 上体を起こす
- ルーフ動作:上半身固定 → 下半身を持ち上げる
さらに前鋸筋を働かせることで、肩甲骨がスムーズに外転し、腕と体幹の協調が可能になります。
この連動があると、手のリーチも脚の高さも格段に改善します。
まとめ
ルーフで足が上がらない・距離が出ない原因は「腕力不足」ではなく、前鋸筋と下部体幹の連動不足。
ピラティスで“逆ロールアップ力”と前鋸筋の協調を鍛えることで、クライミングのパフォーマンスは飛躍的に向上します。
- 下腹部と腸腰筋 → 脚を引き上げる
- 前鋸筋 → 肩甲骨を外転させて腕と体幹を分離
これを意識するだけで、ルーフでの足上げも手の届く距離も変わるはずです。



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